自分の画才の無さに嘆くここ数年。
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0.真っ黒な煙を立て,雨のような量の血を地に染み込ませ,たかが正義のために失われた多くの命の代償とし
て残った,荒涼とした瓦礫の地平線。
多くの死を招いた,長い長い戦争が終わりを迎えたとき,サイレンの音に脅えることのなくなった人々は,そ
の惨状を立ち尽くして見ることしか出来ないでいた・・・。
1.荒れ果てた瓦礫の隅にポツンと残った廃棄処分場。
そこでは,1機の労働補助用機械と1人の異形の少女が暮らしていた。
「アッ!」
機械がボロなスピーカーから機械が音を上げる。
瓦礫の山頂で宝探しをしていた少女は何があったのかと急いで駆け下りてきた。
「ミてみろよコレ。ナカナカ綺麗じゃネェか。」
鉄の掌の上に載っていたのは,小さな透明色の石のついた指輪だ。少女は指輪を持ち上げ,太陽にかざし
て見てみる。たしかに,きらきらと輝いて綺麗だ。
夢中になって石を見ている少女を傍目に,
「戦争の前なラ,売ってカネにもなったんだガなぁ・・・。」
などと,機械はぼやきつつ,背中の排気管から白い煙を吐いて他に戦利品が無いかと他の瓦礫の山へと向か
ってゆく。
少女はその後をてくてくとついて行き,やがて1人と1機は瓦礫の山を越えていった。
遠くを,かつて兵器として恐れられたオオキナアルクが悠然と横切り,晴天の空が彼女達のように平和な時
間を刻んでいる。
そこは陸の孤島,瓦礫の砂漠。
ゆっくりと風は流れ。
やがて日は落ちてゆく。
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